photo : Kiyotoshi Takashima
Package & Graphic design
Itaru Yonenaga [ NO CONTROL AIR ]
http://nocontrolair.com/nocon/index.html
2012.12.5 ON SALE Yow Funahashi / 3AM Music for NO CONTROL AIR
- 01. ma-r
- 02. passage #1
- 03. Multiplication
- 04. Mind Tracing
- 05. gentle shine
- 06. White wall in Grass
- 07. passage #2
- 08. 1+0
- 09. hymn [for sky]
3AM Music for NO CONTROL AIRに寄せて
バッハのゴールドベルク変奏曲、多くのピアニストたちがこの曲を演奏しており
自分はこれまでグレン・グールドが晩年に演奏したものを好んで聞いていた。
しかし最近はリヒテルが演奏したものを良く聞いている。
グールドの生き様を写したかのような彼の演奏に対して、リヒテルの演奏は
「我の強さ」を感じさせず、極端に言えばバッハの曲であることすら感じさせない。
存在感はあるのに空気のように軽やかで、作曲家/演奏家の主観性を超えた演奏に
惹かれている。
舩橋さんの楽曲にも、リヒテルに通じる、「我」を感じさせない真の強さがある。
作曲家/演奏家としての主張はしっかりとありながらも、「我」という主観性を
超えたしなやかな表現に惹かれて、さまざまな舞台で活躍するクリエイターたちが
相互に高める事のできるコラボレーション相手として彼の元に集まってくるのだろう。
中島佑介[limArt オーナー]
水平軸の彼方より
訪れる高まりは
次第に質量を帯び
やがて明晰な実体を得る
それは細かに砕かれ
喜哀の狭間を移ろい
いつか後ろ姿の輪郭は
回想の景色へと沁み込みゆく
小林和人 [Roundabout / OUTBOUND 店主]
扉を開ける
白く小さな部屋に
灰色の男が背中を向けて
佇んでいる
彼の眼は
狼のそれに似ていた
奥底で静かに波打つ
喪失と憂愁の揺らぎ
そして慈しみの光
舩橋陽の狂気
狂った花は美しい
haruka nakamura
ある空間に、もう一つの穏やかな波を付け加えることによって、
その場の位相がちょっとだけ、でも、時間のなかではっきりと揺らぎ、
照明の影の滲みにあらたな彩が出るような、そんな音楽だと思いました。
直流・交流でいうと、交流的音楽。
舩橋氏とはおもに即興演奏の現場で御一緒しているのだけれど、
こういった緩やかな変化に充たされた「交流的空間」の中でも共演してみたいな。
大谷能生